第56回作業療法士国家試験問題(2021年2月21日実施 午前)
問題10
32 歳の女性。右利き。診断名は右乳がん(ステージⅡ)。右乳房切除術と腋窩リンパ節郭清術施行目的で入院となった。夫と2歳の子どもとの3人暮らし。職業は保育士。術前の右上肢機能は良好であり、セルフケアや家事動作は自立していた。
術後作業療法について正しいのはどれか。
1. 日光浴を勧める。
2. 術側の上肢は固定する。
3. 事務職への転職を勧める。
4. 重量物を持たないように指導する。
5. 3か月間物干し動作は行わないよう指導する。
答え 4
がんの各ステージ
ステージ0 がん細胞が上皮細胞内にとどまっている。リンパ節への転移はない。
ステージⅠ がん細胞が少し広がっているが、筋肉層でとまっている。リンパ節への転移はない。
ステージⅡ リンパ節への転移はないが、筋肉の層を超えて浸潤している。また、腫瘍は広がっていないが、若干リンパ節への転移がみられる。
ステージⅢ がん細胞が浸潤しており、リンパ節への転移もある
ステージⅣ がんが、はじめにできた原発巣を超えて、他の臓器へ転移している
術後は固定せず、軽い運動を促していく事を基本にします。
聖路加国際病院のサイト
乳がんの治療を受けられる方へ - リハビリテーション - 聖路加国際病院ブレストセンター(乳腺外科)
乳房の手術をすると、手術した後の痛みや拘縮(こわばり)のために、手術した側の腕が重だるくなったり上がりにくくなることがあります。この拘縮は肩関節の運動を行わず、じっとしていると次第に増強していきます。これらの症状を回復させるためには、手術後のリハビリテーションが必要です。
なりたい自分にコツコツ前進!
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