平成27年度介護福祉士の国家試験問題に入浴に関する問いがありました。
38~41度の湯温での入浴が身体に与える影響として、適切なものを1つ選びなさい。
①血圧の上昇
②心拍数の増加
③膀胱の弛緩
④消化機能の亢進
⑤筋緊張の亢進
正解は④でした。
解説には、42度以上のお湯に入ると血管が収縮し急激に血圧が上がってしまい、心拍数も上昇、筋緊張は亢進し、交感神経が働いてしまうとのことでした。38度から41度のぬるめのお風呂だと副交感神経が働くようになると記載されていました。
ところで
高齢者の方が、お風呂に入って良いか、良くないかについてですが、血圧や体温がその判断基準の一つにされていることが多いです。
一般財団法人日本健康開発財団が2016年2月29日にホームページ上に公開している情報によると、
高齢者では『160/100mmHg以上の高血圧及び37.5℃以上の発熱時、入浴事故のリスク増』と紹介されています。
詳細は以下のサイトをご覧ください
高齢者160/100mmHg以上の高血圧及び37.5℃以上の発熱時、入浴事故のリスク増
一般財団法人日本健康開発財団のプレスリリース(2016年2月29日 13時29分)高齢者160/100mmHg以上の高血圧及び37.5℃以上の発熱時、入浴事故のリスク増
内容としては、訪問入浴事業所2,330か所に対して、平均年齢82.3歳の高齢者における596例の入浴事故を解析結果だそうです。
その結果
入浴前の最高血圧が160mmHg以上だった場合、入浴事故の発生と3.63倍
入浴前の最低血圧が100mmHg以上であることは入浴事故の発生と14.71倍
それぞれ関連性があったそうです。
また、入浴前に体温37.5℃以上であることは入浴事故の発生と16.47倍*の関連があったそうです。
実際においては、血圧や体温だけで判断するのではなく、いつもと違う様子、その時の主訴(頭が痛い、だるい、しんどい、ふらつく、入りたくない等)に加えて、いつもと違う変化に気を付けることが大切になります。
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