生と死の教育(著者:アルフォンス・デーケン) を読んでみての感想

公認心理師

他人の教えをうのみにするのではなく、自立した思考がとても大切。

デーケンが教えることよりも、デンケン(ドイツ語の『考える』という意味)するほうが大切。

デス・エデュケーション=死への準備教育

死とは生の究極の到達点

死への恐怖と不安には9つほどの種類があり、その種類を自分で客観的に知っておくことで、死への準備段階で生じる、自分のニーズに対応することができる。
 ①苦痛への恐怖
 ②孤独への恐怖
 ③不愉快な体験への恐れ
 ④家族や社会の負担になることへの恐れ
 ⑤未知なるものを前にしての不安
 ⑥人生に対する不安と結びついた死への不安
 ⑦人生を不完全なままに終えることへの不安
 ⑧自己の消滅への不安
 ⑨死後の審判や罰に関する不安

デーケン先生は1982年から毎年、上智大学十号館行動で医療関係者や一般市民を対象とする、『生と死を考えるセミナー)を開催されていたそうです。そのセミナーのシンポジストとして、再発した乳がん末期の35歳の患者さんに、自分自身のつらい闘病生活を語ってもらうことをしたそうです。登壇するのも大変で、控室のソファーで横になって出番を待たれるほど。その方は、自分の体験を語ることが少しでも他のがん患者さんのために役立つならと、再発患者としての思いや医療関係者への要望などをしっかりとした口調で、語られたそうです。それから40日後にその方は亡くなられました。亡くなる直前まで、『他人のために少しでも役立つことができて、良かった』と繰り返し言って喜んでおられたそうです。

死への恐怖を乗り越えるためには、①死への準備教育、②ユーモアと笑い、③永遠の生命への希望 が必要とのこと。①で過剰な死への恐怖や不安を減らし、②で死の恐怖をやわらげ、③死んでも続きがあり始まりだという意識をもつ。

葬儀には子供を参加させたほうが良い

ネズミの実験。アメリカの実験で、ネズミを騒音の多い不快な環境で飼うと90%が癌にかかり、対照的にいつも快い音楽の流れる環境で飼うと7%しか癌にならなかったそうです。

医療関係者がユーモアいっぱいでリラックスした態度で接すれば、ストレス解消のための良い薬になる。

訪問先の素敵な大学教授の方と『死生観 』について話しているときに、教えてくださったデーケン先生。1932年から2020年で亡くなられるまでの間、生と死について多くのことを教えてこられたとのこと。

この本を読ませていただいて、子供たちにもしっかりと『死への準備教育』をしていきたいと思い、まずは自分自身の『死への準備教育』として、死ぬことから目をそらさずに、毎日をコツコツと生きていきたいと思いました。

コツコツと継続するコツの1つに、『死への準備教育』の大切さを感じました。

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